ペース・メソッドで学ぶ、伴奏に強い全調メソッド

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はじめに

ペース・メソッドの特徴の一つに、全調メソッドがあります。そして、この全調メソッドをマスターすることで、簡単に移調して演奏することができるようになります。

ここでは、与えられた楽譜に対して移調して演奏するような場面について、お話をしたいと思います。

コーラスの伴奏

コーラスにおいては、伴奏譜に従ってピアノの前奏がはじまります。そして、そのピアノ伴奏に合わせてコーラスが始まります。
コーラスの皆さんが一曲歌う間、楽に歌えればいいのですが、途中高音部で声を出しにくくて歌うのが苦しい、というような場面に遭遇することがあります。
そこで、楽譜よりもキーを下げて伴奏することで、コーラスのみなさんが曲全体を楽に歌うことができるようになります。

ところで楽譜から移調しての演奏は、譜面に書かれた音符を頭の中で変換してピアノを弾くわけですから、そう簡単にはいきません。

でもペース・メソッドで学び、全調メソッドをマスターしていれば、移調しての演奏を苦もなくできるので、コーラスの皆さんに合わせた調性(キー)で演奏することが簡単にできます。

ペース・メソッドの全調メソッド

広い意味で全調メソッドとは、ハ長調(C major)、へ長調(F major)、ト短調(G minor)、―――など全24の調性で演奏することを言います。

ペース・メソッドにおいは、まず楽譜をパターンリーディング(模様読み)して、曲のリズムや音階の相対的変化などを把握します。そしてこれに加えて、ト音記号や♯・♭などの調号から主音がわかることで、鍵盤との対応をとって楽譜の調性で演奏することができます。
移調にあたっては、移調後の主音だけわかれば、そこからスタートして相対的に音階を演奏していくことで、移調演奏ができます。

移調による演奏が役に立つ例

冒頭では、コーラスの伴奏においてキーを変えての演奏(移調)が求められる例を書きましたが、他にも移調が有効となる例があります。これを上げてみたいと思います。

学校の歌の試験の伴奏

学校の歌の試験は、コーラスと同様に、伴奏によって演奏されたピアノに合わせて歌うことなります。しかしながら、生徒さん発生できる音域は人によって異なり、場合によっては声の出しにくい音域で歌うこともあります。また中学生の男子は、声変わり前の生徒さんと声変わり後の生徒さんで、発声できる音域が変わってきます。
そこで、それぞれの生徒さんに合わせてキーを変えるととで、生徒さんは歌いやすい音域で歌うことができるようになります。

おわりに

ピアノのソロ演奏の場合は、楽譜の調を変えて演奏するようなことは、あまりないのかもしれません。
しかし、歌の伴奏においては、歌う人の声合わせてキーを変えて(移調して)の演奏が必要となることもあります。

いまは思いつきませんが、他にも移調しての演奏が必要になることはあるのではないでしょうか?

こんなとき、ペース・メソッドの全調メソッドをマスターしていれば、簡単に対応することができるのです。

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